ブルーラジカル治療

重度歯周病の新しい選択肢
メスを使わない
「ブルーラジカル治療」
歯周病は、日本人が歯を失う原因の第一位とされています。
症状が重度まで進行してしまうと、従来は歯ぐきを切開するような、身体的負担の大きい外科手術が必要とされてきました。
しかし近年、青色LEDと過酸化水素を用いた「ブルーラジカル治療」という新しい選択肢が登場し、メスを使わずに歯周病菌を除去できる可能性が大きく広がっています。
当院で導入している「ブルーラジカル治療」について、治療の仕組みから実際の流れ、適応症例まで、院長の小林がわかりやすく解説していきます。
ブルーラジカル治療とは
ブルーラジカル治療(ブルーラジカル P-01)は、東北大学の研究によって開発され、厚生労働省の承認を受けた全く新しい歯周病治療法です。
これまで、進行してしまった重度の歯周病治療においては、歯ぐきを切開する「歯周外科手術」が必要になるケースが多く、患者さまへの身体的な負担が大きな課題でした。
しかし、このブルーラジカル治療の登場により、「切らずに」「痛みを抑えて」「効果的に」重度の歯周病へアプローチすることが可能になりました。

ブルーラジカル治療の
効果と仕組み
どのように歯周病に作用するのか?

ブルーラジカル治療は、「過酸化水素(約3%)」に対して特定の波長を持つ「青色レーザー」を照射することで発生する「ヒドロキシラジカル」を活用します。
ヒドロキシラジカルは極めて強力な酸化力(殺菌力)を持ち、歯周ポケット内に潜む歯周病の原因菌を瞬時に破壊します。
同時に、超音波振動による機械的な歯石除去を行うため、細菌の住処である歯石の破壊と、原因菌の徹底的な殺菌を同時に、かつ安全に行うことができる仕組みです。
従来治療との決定的な違い
従来の歯周病治療との比較
従来の重度歯周病治療(歯周外科手術)と比較して、患者さまのお身体への負担が大幅に軽減されます。
スクロールできます
| ブルーラジカル治療 | 従来の重度歯周病治療 (フラップ手術など) |
|
|---|---|---|
| アプローチ方法 | 非外科的(メスを使わない) | 外科的(歯ぐきを切開・剥離する) |
| 殺菌・清掃方法 | ヒドロキシラジカルによる化学的殺菌 + 超音波による物理的除去 |
器具を用いた物理的な歯石・感染組織の除去のみ |
| 痛み・身体への負担 | 少ない (局所麻酔を使用し、術後の腫れや痛みも抑えられる) |
大きい (術後の痛み、腫れ、歯ぐきが下がるリスクがある) |
| 適応となる症状 | 中等度~重度の歯周病 | 中等度~重度の歯周病 |
「汚れを落とす」から「菌を無力化する」へ
-
従来治療の構造的な限界
「届かない・残る」を克服従来のスケーリングやSRPは、深い歯周ポケットには器具が届きにくく清掃に限界があります。また、歯周病菌が作る強固な膜「バイオフィルム」には薬が浸透しないため、深部の細菌が生き残り再発を繰り返すのが大きな課題でした。
-
3%過酸化水素×青色光で
原因菌を直接破壊ブルーラジカルは、超音波での歯石除去と同時に3%過酸化水素と405nmの青色光を照射します。発生した強力な「ヒドロキシラジカル」が強固なバイオフィルムを破壊し、器具が届かない深部の細菌まで直接酸化して無力化します。
-
外科治療を回避し、
患者さまの負担を軽減従来は歯肉を切開する手術が一般的でしたが、ブルーラジカルなら切開・縫合なしで深部の細菌を減らせます。健康な組織を傷つけず、術後の痛みや腫れ、通院回数など患者さまの負担を大幅に抑えられるのが最大の違いです。
ブルーラジカル治療の流れ
-
01

診査・診断・カウンセリング
歯周ポケットの深さの測定、レントゲン撮影、細菌検査などを実施し、歯周病の進行度を正確に診断します。
ブルーラジカル治療の適応となるかを確認し、治療計画や費用、リスクについて詳しくご説明いたします。 -
02

歯周基本治療(SRPなど)
すぐにブルーラジカル治療を行うのではなく、まずは適切なブラッシング指導や、専用器具を用いた歯石除去(スケーリング・ルートプレーニング)を行い、お口の中全体の細菌数を減らして歯ぐきの炎症をある程度落ち着かせます。
-
03

ブルーラジカル治療の実施
基本治療では改善しなかった深い歯周ポケット(中等度〜重度部分)を対象に、ブルーラジカル治療を行います。
歯周ポケット内に過酸化水素を注入しながら青色レーザーと超音波を作用させ、原因菌を徹底的に殺菌します。(必要に応じて局所麻酔を使用します) -
04

再評価・メンテナンス
治療後、一定期間を空けてから歯ぐきの状態や歯周ポケットの深さを再評価します。健康な状態に改善されていれば、その後は3〜6ヶ月に1回の定期健診(メンテナンス)に移行し、良好な状態を維持していきます。
ブルーラジカル治療の注意点
ブルーラジカル治療は安全性の高い治療ですが、使用する薬剤(過酸化水素)やレーザー光の特性上、以下に該当する方は治療をお受けいただけない、または慎重な判断が必要となります。
治療を受けられない方
- 無カタラーゼ症の方:体内で過酸化水素を分解する酵素(カタラーゼ)が欠乏しているため、過酸化水素水を使用する本治療は行えません。
- 光線過敏症の方:青色レーザーの光により、皮膚や粘膜に異常な反応(光アレルギーなど)が起こる可能性があります。
治療を受ける上での注意点・副作用
- 知覚過敏:治療後、一時的に歯がしみる症状(知覚過敏)が出ることがあります。通常は数日〜数週間で自然に治まります。
- 歯肉の退縮:炎症が治まり歯ぐきが引き締まることで、本来の健康な位置に戻り、結果として「歯ぐきが下がった(歯が長く見える)」ように感じることがあります。
- 歯肉の白濁:過酸化水素の影響で、一時的に歯ぐきが白くなることがありますが、短時間で元の色に戻ります。
- 妊娠中・授乳中の方:安全性が完全に確立されていないため、原則として出産・授乳を終えてからの治療をおすすめしています。
- 全身疾患がある方:コントロールされていない重度の糖尿病や心疾患などがある場合、主治医との連携が必要になるケースがあります。
ブルーラジカル治療の費用
ブルーラジカル治療は、現在保険適用外の「自費診療」となります。対象となる歯の本数や、歯周病の進行度によって費用が変動いたします。
| ブル-ラジカル治療(1歯あたり) | ¥15,000 |
|---|
※上記の費用は目安です。患者さまのお口の状態に合わせた正確な費用や治療回数は、事前のカウンセリング・診査診断時に詳細なお見積りをご提示いたします。
※掲載の費用は全て税込価格です。